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長野に吹く風は、地形の影響を受けるので場所によって千差万別です。冬は季節風の影響で北風が多いのですが、春から秋にかけては季節風の影響もありますし、海風と陸風や谷風と山風に代表される局地風の影響もよく表れます。

長野地方気象台の長野県の気候には、「局地的な熱的低気圧」のことに触れられています。

 長野県は 3,000m 前後の山脈に囲まれているので、盆地では風が弱くなっています。しかし、内陸部では日中に局地的な「熱的低気圧」が発生し、ところによっては「谷風」が強まり、特に昼過ぎから夕方頃まで7~8m/sの風の吹くところがあります。

この「局地的な熱的低気圧」のことを「ヒートロー」などと言ったりします。グライダーパイロットにはおなじみの熱上昇気流、つまりサーマルです。

一日の寒暖の差が大きく、日照が多い長野では、夜に冷えた空気が昼間によく暖められます。すると暖まった空気は上昇をはじめ、そこは低い気圧帯となります。そのようにして出来た局地的な熱的低気圧に向かって、気温の上昇しにくい海の方から風が流れ込んできます。

長野市は日本海に近く、直線距離で60kmほどしか離れていません。長野県全体がよく晴れた日は風向きが安定しなくても、ある時間になると安定した北風が吹き始めます。その北風は、内陸部の局地的な熱的低気圧に向かって吹き込む、海風なのです。

西高東低の冬型の時、シベリアから太平洋に向かって吹く冬の季節風と、局地的な熱的低気圧に向かって吹き込む日本海からの海風。長野市滑空場ではどちらかと言えば北風が吹くことが多いのです。

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